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私的物書

音楽、映画や美術。

『マーダー・ライド・ショー(House of 100 Corpses)』(2003年)

2003年公開の『マーダー・ライド・ショー』。監督はロブ・ゾンビです。

何も前提知識、背景知識を入れないまま見たのですが、とても音楽に気を遣っていて、ハイセンスだなと思いました。ベイビー・ファイアフライが自身の部屋で晩酌会の支度をしている時のラモーンズなんかは彼女から滲み出る残虐さとは対照的な少女性が感じられますし、晩酌会のデザートを食べるという時のブラックサバスやドゥームを彷彿させる陰鬱な雰囲気、その他にもギターのフィードバックのみの時もあり、耳にもよい映画でした。

ストーリーは往年のゾンビ映画というよりも『テキサスチェーンソー』、『悪魔のいけにえ』を土台にしたもので、ほぼリメイクと言っても過言ではないのか、というものでした。男女カップルが二組で、ちょっぴりセクシーなお姉さんがいて、車でとある心霊スポットを目指して僻地に行くも、途中で不気味な家にお邪魔することになり…とあからさまでしたので、どう描写していくのかを楽しみに見ました。

殺人シーンというか、血や生肉が多く出たな、という印象がまず一つです。恐怖感を煽るような演出が多用されていて詰め込みすぎた感じもしなくはないですが、作品自体の展開も、最後の棺桶に入れられてからの展開も、劇中劇ともいえるような給油スタンドでの「ライド・ショー」にでも搭乗しているかのようで面白かったです。(ディズニーランドのホーンテッドマンションも期間限定かつ年齢制限を設けてもいいからあのくらいやってしまえばいいのに(笑)とも思いました。)

演出もフラッシュや反転、分割等を用いていてエキセントリックで、刺激的で、猟奇的、狂気的で見ごたえのあったものだったと思います。特に、最後の女の子が迷宮に迷い込んでしまうシーンのドラッグ的なヨレついた感じがおもしろかったです。私的には飽きることなく見ることができました。

 

鑑賞後、調べてみるとこのロブ・ゾンビは、もともとはミュージシャンでメタルバンドをやっており、それより以前にはノイズミュージックをやっていたとのこと。また、『マーダー・ライド・ショー』は映画の監督として第一作目ですが、それより以前に自身のバンド、ホワイト・ゾンビのPVを監督しており、そのPVでMTVのVideo Music Awardsを受賞した経歴があることがわかりました。

 

 これがそのMVです。このMVと『マーダー・ライド・ショー』では多くの共通した技法、描写が用いられていると思います。見ている時にフラッシュバック、早送り、画面を構成する色遣いがとても似ていると感じました。

あと鑑賞時に気になったのは、ベイビー・ファイアフライです。女の子だから、ということではないですがよくもあんな役を演じきったなと思っていたのですが、彼女を演じたのはロブ・ゾンビの妻Sheri Moon Zombieであることがわかりました。監督への理解と共感がなければ、こんな役を演じようとは思わないだろうな…と思っていたので納得がいきました。

ロブ・ゾンビの世界観がまるまると表現されたかのような、上のMVの延長線上にでもあるかのような作品でした。

以下、ポスターです。

 

http://tthk-18.tumblr.com/post/141533665618/house-of-1000-corpses-directed-by-rob-zombie